教育実習を終えて

岡村 幸彦



先日、母枚の愛知県立知多高等学校で2週間教育実習を行いました。

直前には実習を経験したことのある人達から、「思っているより大変だ」と言われたりして脅されており、それなりに覚悟をしていましたが、実際に経験して本当に思っていたより大変なものだったと思います。指導教論の先生には主に授業の指導案、声の大きさ、実際の授業や朝と帰りの会の展開の仕方等について様々な指摘を受けました。そんなこともあって、体力的にも精神的にも非常につらい2週間ではあったのですが、自分の担当クラスの生徒の人達から声をかけてくれたり、大学時代や高校時代等の話を一緒にしたりと、励みになることもたくさんありました。そして最後の研究授業では反省材料もありましたが、比較的面白く展開でき、すがすがしい気持ちで終わることができました。

それから指導教論の先生には指摘の他に、英語や教識に口することをいろいろと教えていただきました。ここではその中でとても印象に残っていることを2つほど紹介したいと思います。

まず一つ目として英語の発音について。文法の授業で will を取り扱ったのですが、その中で will と not の省略形 won't の発音を少し間違ってしまったのです。〔wont〕だと考えていたのが、本当は〔wount〕だったのです。そして実際に授業で〔wont〕と発音して、授業後に want はどのように発音するのかと聞かれたので、これは won't と want の発音の区別についてだろうかと思いました。私自身 won't は〔0〕、want は〔0〕だと考えていたので、wantを〔want〕と発音しました。ところがここで先生はおっしやいました。〔0〕と〔o〕は同じものであると。won't を〔wount〕と発音すること自体も全然知らなくて随分驚きましたが、それよりもすごい驚きであったと思います。該当する単語は want の他に was、hot、college 等があるのですが、それらを辞書で調べてみると、〔alo〕というような表記がされていました。先生がおっしやったことをまとめてみると、〔0〕と〔0〕は発音の仕方がやや異なっているものの、基本的には同じものだということです。しかし個人個人ではどちらで発音するか統一していなくてはならないということです。つまり例えば want の時には〔0〕と発音し、was の時には〔o〕と発音するというのはいけないというわけです。ちなみに自分で調べてみると、アメリカ英語では〔0〕、イギリス英語では〔0〕に統一されるとなっていました。

もう1つは教職に関することについて。それは英語教師というのは必ずしも英語を生かせる仕事とは限らないということです。確かに中学校では週に25時間程度、高校では週16一7時間程度自分の担当教科を教えることになっており、授業自体はもちろんのこと、授業の準備や反省、そして定期試験等もあってそれはそれで大変だと思います。しかしそれ以上に、クラス担任やクラブ活動、そして生徒指導や進路指導といった様々な校務等の、教科外の仕事の方が圧倒的に多いということです。実際に実習中、頻繁に職買室に行きましたが、いろんな先生の仕事を観察していると、やはり教科外の仕事をやってらっしやる方が大多数だったと思います。そして時には、ある問題のある生徒とそのお母さんを呼んでともに三者面談をやっていることもありました。ということで、決して全然英語が生かせないというわけではありませんが、それ以外の仕事に大体は振り回されるというのが教師なのではないかと思います。これから教師を目指す方はきっと大勢みえると思うのですが、いま私が述べたことを考慮の上、もう一度考え直してみてはどうでしょうか。

これから教育実習を迎える方はそれなりの覚悟の上、何とか無事に乗り越えて下さい。

(文学部科目等履修生)

The Chukyo University Society of English Language and Literature
Last modified: Fri Nov 13, 1998

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