中京大学英文学会講演報告

春期大会


カリフォルニア大学(バークレー校)名誉教授
青木 晴夫 氏



「ことばの歴史」

平成9年5月27日(火)、午後1時30分から、中京大学英文学会・英文学科共催の講演会がヤマテ・ホールで開かれた。(以下、要旨)

ことばは時とともに変化する。変化の道すじを辿る方法として、異なる言語を比較する比較言語学、同一言語のデータだけを利用する内的再構法などがあり、Sir William Jonesの講演--アジア協会設立3周年記念講演「インド人について」(1786年2月2日)--を契機に印欧語族の研究が盛んになった。これらの方法は印欧語以外の言語にも適用され、2,000 以上を数える北米インディアンの言語の系統や歴史もしだいに明らかになりつつある。

英語の歴史は大きく古代英語(-1150)、中世英語(1150-1500)、近代英語(1500−)、の3つの時期に分けられ、屈折(語形変化)の消失、大規模な母音変化(Great Vowel Shift)などを経て今日の英語となった。変化はいまも続いている。

北米先住民の諸言語(とくに、Nez Perce語研究)の世界的権威による、ことばの歴史についてのお話は啓発されるところ多く、興味の尽きないものであった。

(福田権一文学部教授)


The Chukyo University Society of English Language and Literature
Last modified: Thu Apr 30, 1998

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